子どもの英語教育、何から始めればいいのか分からない。
英語教室を調べては閉じ、インターナショナルスクールの学費を見ては閉じる。そんなことを1年ほど繰り返した末に、我が家は「1ヶ月だけ海外で暮らしてみる」という選択をしました。
行き先はマレーシアのクアラルンプールです。この記事では、なぜその決断に至ったのか、どうやって現実的な計画に落としたのかを書きます。子どもの英語教育や親子留学を検討している方の参考になれば嬉しいです。
教材を比較している時間が、目的になっていた
私は英語を教える仕事をしています。大人向けのコーチングもしていて、学習設計についてはそれなりに考えてきたつもりでした。
それなのに、自分の子どもに関しては何も手を打てていませんでした。
正確には、何度か動きかけては止まっていました。英語教室の体験に申し込もうとして送迎の時間が取れずにやめる。教材を比較して、どれも似たようなものに見えて決められない。インターナショナルスクールの学費を調べて、桁を見て静かに閉じる。
今振り返ると、私が探していたのは「正解の教材」であって、「我が子が何を必要としているか」ではありませんでした。比較検討そのものが目的になっていたのです。
同じ状態にいる方は多いと思います。情報は無限にあり、どれも一理あり、決め手がない。
妻の一言で方向が変わった
転機は、妻との何気ない会話でした。
私がまた比較の話をしはじめたとき、妻がこう言いました。調べるのはもういいから、一回住んでみたら分かるんじゃない、と。
その場では無茶だと思いました。仕事がある。下の子はまだ小さい。費用もかかる。できない理由は10秒で10個出てきます。
ところが一つずつ検証すると、どれも致命的ではありませんでした。
| 懸念 | 実際に検証した結果 |
|---|---|
| 仕事を休めない | 夏の長期休暇と重ねれば1ヶ月確保できる |
| 下の子が小さい | 医療体制の整った都市を選べばリスクは下げられる |
| 費用が高い | 物価の安い国なら、日本で過ごすより安くなる可能性がある |
| 住む場所がない | 家族向けのコンドミニアムが短期で借りられる |
「無理だ」と思っていたことの多くは、検証していないだけでした。ここは多くの家庭に共通するところだと思います。
なぜクアラルンプールだったのか
候補はいくつかありましたが、最終的にマレーシアのクアラルンプールに決めました。理由は4つです。
1つ目は、英語が広く通じること。マレーシアは多民族国家で、日常のあらゆる場面で英語が使われています。子どもが英語に触れる環境として自然です。
2つ目は、日本から近いこと。直行便で7時間ほどなので、小さい子どもを連れての移動が現実的です。
3つ目は、医療が整っていること。日本語対応の医療機関があり、海外旅行保険のキャッシュレス受診に対応している病院も複数あります。子連れの長期滞在では、ここが一番の安心材料になりました。
4つ目は、費用です。家族向けのコンドミニアムに1ヶ月滞在しても、日本で夏休みを過ごす場合と比べて極端に高くはならない見込みが立ちました。
目的は「英語を身につけさせること」ではなかった
出発前に、自分の中で一つ決めていたことがあります。
これは子どもに何かを身につけさせるための旅ではない、ということです。
1ヶ月で英語が話せるようになるはずがないのは、英語を教える仕事をしていれば分かります。むしろそういう期待を持って行くと、親の方が苦しくなります。思ったほど話せない、費用の割に成果がない、と感じてしまうからです。
代わりに置いた目的は、子どもが言葉の通じない環境に入ったときどうふるまうのかを、この目で見ることでした。
逃げるのか、固まるのか、それとも何かしようとするのか。それが分かれば、帰国後に何をすればいいのかが決まります。言ってしまえば、教育方針を決めるための観察です。
この目的設定は、結果的にとても良かったと思っています。成果を求めていないので、何が起きても収穫になるからです。
親子留学を検討している方へ
1ヶ月の滞在中、子どもを現地のプリスクールのサマープログラムに通わせました。そこで起きたことは、私の想定とはかなり違うものでした。詳しくは次の記事に書きます。
今の時点で一つだけ言えるのは、教材や英語教室を比較している時間は、それ自体が目的になりやすいということです。私がそうでした。
もし同じところで止まっているなら、短期間でもいいので環境そのものに触れさせてみる価値はあります。1週間の短期でも、サマーキャンプだけでも構いません。何かを覚えさせるためではなく、その子が世界とどう関わるのかを親が見るために。
我が家の1ヶ月は、そのための時間でした。


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