英語だけのサマースクールに3週間通って、4歳の娘が覚えた英語は、数えるほどでした。
「短期の留学って、結局どのくらい英語が身につくんだろう」
幼児の海外サマースクールや親子留学を調べていると、ここが一番知りたいところだと思います。費用は安くありません。我が家は子ども2人で25万円を払いました。それで英語が話せるようにならないなら、意味がないのではないか。
結論から書くと、3週間で英語は身につきません。それでも、私は行ってよかったと思っています。 変わったのは英語力ではなく、別のものでした。そして、帰国してからのほうが、本番だと感じています。
私は英語を教える仕事をしています。この記事では、家族4人でクアラルンプールに1ヶ月暮らしたあと、子どもの英語がどうなったのか、帰国後に家で何を続けているのかを、正直に書きます。
- 英語ゼロの4歳と2歳が、英語だけの園に3週間(月〜金・9時〜17時)通った
- 覚えて帰ってきた英語は数えられる程度。それは想定どおりだった
- 変わったのは、言葉が通じない相手に伝えようとする態度
- 帰国後に家で続けているのは、英語で話すことと、英語の歌をみんなで歌うことの2つ
- どちらもお金はかからない
3週間で覚えた英語は、数えるほどだった
通ったのは、クアラルンプールにあるプリスクールのサマープログラムです。月曜から金曜、9時から17時まで。1クラス15人ほどに先生が2人以上つき、クラスにはマレーシア、韓国、日本などの子どもがいました。先生も友達も、話すのは英語だけです。
娘は4歳、息子は2歳。2人とも、出発前は英語をまったく話せませんでした。日本の普通の園に通い、家では日本語だけの生活です。
3週間が終わって、覚えて帰ってきた英語の表現は、数えられる程度でした。「Nice to meet you」を意味もなく連呼したり、園で習った英語の歌を歌ったり。それくらいです。
これは、がっかりした話ではありません。英語を教える仕事をしていれば、3週間で言葉が身につかないことは最初から分かっています。 むしろ、幼児の数週間の留学に英語力の成果を期待すると、たいてい親のほうが苦しくなります。思ったほど話せない、費用の割に成果がない、と感じてしまうからです。
変わったのは英語力ではなく、言葉が通じない相手への態度
それでも、はっきり変わったものがあります。態度です。
言葉が通じない相手に対して、黙って離れるのではなく、何かしら伝えようとするようになりました。うまくいかなくても、次の日また同じ子のところへ行く。園から送られてくる動画には、友達と手をつないで踊っている姿が映っていました。
帰国の直前には、娘が自分から「家でも英語しゃべろう」と言い出しました。私たちが促したわけではありません。

英語を教える側として、何度も口にしてきたことがあります。言葉ができるようになったから人と関われるのではなく、関わりたい相手が先にいて、そのために言葉を使おうとするのだ、ということです。それを、自分の子どもが体で示してくれました。
園では、金曜日ごとにイベントがありました。「なりきりたい衣装を着る日」には、娘はプリンセスのドレス、息子はベビーシャークの服を着て、クラスの人気者になっていました。言葉が通じなくても、場に入っていける。その経験が、3週間で一番の収穫でした。
幼児の短期留学に「効果」を求めるなら、英語力ではなく、「言葉が通じない場所で、その子がどうふるまうか」を見る場にしてください。何が起きても収穫になります。
帰国後が本番。家で続けていることは2つ
帰国したのは8月25日ごろ。それから1ヶ月半ほどたちました(2026年10月時点)。
海外のサマースクールの話を読むと、「帰国後に英語をどう維持するか」が課題だと書かれています。それはそのとおりだと思います。ただ、3週間で身についた英語がもともと少ないので、「維持」というより、「せっかく生まれた関心を消さない」ことを意識しています。
家で続けているのは、次の2つです。どちらもお金はかかりません。
| 続けていること | やり方 | 目的 |
|---|---|---|
| 家でも英語で話す | 子どもたちが私(父親)と話すときは英語、という場面を作る | 園で聞いていた「英語の音」を、家でも途切れさせない |
| 英語の歌をみんなで歌う | 英語の音楽をかけて、家族みんなで歌う | 子どもが自分から口に出す。楽しい記憶とつなげる |
① 家でも英語で話す
きっかけは、娘の「家でも英語しゃべろう」でした。子どもが自分から言い出したことなので、親がそれに乗ることにしました。
やり方は単純で、子どもたちが私と話すときは英語、という場面を作っています。母親とは日本語のままです。家の中に「英語で話す相手」が1人いる、という形です。毎回きっちり英語というわけではなく、英語だったり日本語だったり、というのが正直なところです。
英語を教える立場から見ると、幼児の時期に一番大事なのは、話させることより聞かせることです。聞く量が先にあって、話すのはあとから付いてきます。園で3週間聞き続けた英語の音を、家でも細く長く続ける。それだけを狙っています。
② 英語の歌を、家族みんなで歌う
もう一つは、英語の音楽をかけて、家族みんなで歌うことです。
園で歌を覚えて帰ってきたのが始まりでした。歌は、幼児が英語を口に出す一番自然な入り口です。意味が分からなくても音で覚えられて、繰り返しても飽きにくい。しかも、園での楽しい記憶とつながっています。

親が英語を話せなくても、これはできます。英語に自信がない方には、まずこちらをおすすめします。
我が家は、帰国後に英語教室やオンライン英会話はまだ始めていません。この記事で書いているのは、家の中で続けていることだけです。その代わりに今、インターナショナルスクールへの入学を検討しています。これについては、決まったら別の記事で書きます。
映像で見るのと、その場にいるのは違った
英語の教材や動画は、今はいくらでもあります。私自身、子どもの英語教育に悩んでいた1年間は、教材を比べては閉じる、を繰り返していました。
実際に行ってみて改めて感じたのは、映像で見るより、その場に行って、空気やにおいも含めた五感で経験したものの貴重さです。子どもたちは、英語だけでなく、いろいろな国の友達と過ごすこと、文化が違うことも、体で学んでいたようでした。
これから幼児の海外サマースクールを考える方へ
英語を教える父親として、これから検討する方に伝えたいことは3つです。
1つ目は、英語力を成果にしないことです。3週間で覚える英語は数えるほどです。期待の置き場所を「言葉が通じない場所でどうふるまうか」に変えると、親が楽になります。
2つ目は、帰国後に続けることを、先に決めておくことです。我が家は、英語で話すことと、英語の歌を歌うことの2つにしました。お金のかからないことから始めれば、続きます。
3つ目は、子どもが自分から言い出したことに乗ることです。「家でも英語しゃべろう」のような一言は、3週間の中で一番の収穫です。それを逃さないために、親が準備しておく。これが、帰国後の一番の仕事だと思っています。
園で実際に起きたことは、英語が話せない子を英語だけのプリスクールへに書きました。費用の内訳は、サマースクールの費用の記事にあります。
次の記事では、クアラルンプールで子どもと出かけた場所について書く予定です。


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